2011年12月3日土曜日

一回やすみ


今日はガイドさんが忙しくて来られないので、調査は月曜日に持ち越しです。
何もないので、今日は以前ガイドさんに連れられて行った庭園を紹介してみたいと思います。

オハイオ州にはSchnormeier Gardensという、アジア風の庭園があります。
Schnormeierというのはこの庭園を私費で建設した夫妻の名字で、
読み方ははっきりわかりませんが、ガイドさんの発音では
「シノーマイヤー」と言っているように聞こえます。






夫妻は日本や中国の庭園が好きで、自分たちでも庭園を造ってみたいと考え、
主に日本庭園と中国庭園を参考にして、このオハイオの地にアジア風の庭園を造りました。
自然好きのガイドさんもこの庭園に惹かれ、シノーマイヤー庭園をテーマにした本を書いています。






ただ、あくまで「和風」「中華風」なので、完全な再現ではありません。
とにかく、夫妻が「美しい!」と感じたものを集めているので、
日本庭園では絶対にみられないようなものも置いてあります。





ガイドさんいわく
「スモウレスラー」


人によっては「こんなものは日本庭園ではない!」と怒るのかもしれませんが、
試み自体は面白いと思います。
たまたまこちらに持ってきた「風土の日本」という本に、開拓当時の北海道のことが書かれていて、
シノーマイヤー庭園を歩きながら、そのことを思い出していました。

明治時代、当時の開拓長官は、北海道を北米風に開拓することを考えていました。
つまり、麦やジャガイモ、トウモロコシの栽培と酪農が主体の北米農業を、
まるごと北海道に移植するという計画です。
しかし入植者たちは日本の伝統から離れることができず、
北海道の風土には合わない稲作を始めました。
そしてその結果、北海道は北米のように麦・ジャガイモ・トウモロコシ栽培と酪農が盛んな一方、
本州以南のように稲作も盛んという、独自な風土を持つようになったということです。

シノーマイヤー庭園の「日本」は確かに私たちの知る日本とは違うけれど、
それはアメリカの風土と日本の風土が混ざり合って、
北海道のように全然新しい風土が生まれた結果だと思えば思えるような気もします。




個人所有の庭園なので、いつでも行けるわけではなく、
6月の数日間しか公開していないそうです。
今回は、ガイドさんがこの庭園をテーマにした本の著者なので、特別に入ることができました。

夫妻の彫像

ところで「風土の日本」によると、日本庭園というのは自然を迎え入れる場であるので、
そこに自分たちの彫像を飾るということは、やはりこれは根本的に西洋庭園なのでしょうか。
実は、アーミッシュ相手に彼らの自然観を聞いているときよりも、
このシノーマイヤー庭園を歩いているときの方が、
日本人との自然観のギャップを強く感じていました。
(アーミッシュの自然観は日本人に近いような気がします)

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