2011年11月22日火曜日

5連勝




今日は11時に調査開始。
5軒訪ねて、5軒とも在宅で調査OK。
1日5軒は当初想定していたペースで、本当はこれで当たり前なのですが、
先週が凪ぎ過ぎだったのに比べればハイペースです。
隣でガイドさんが喜んでいるので、喜ぶべきなのだなと思い、素直に喜びました。

ところでアーミッシュにもいろいろ種類があって、調査ではそれも聞いています。

swartzentruber
    一番保守的なアーミッシュ。カタカナでなんて書けばいいのかわからないですけど、
    ガイドさんは「スワーツェントゥルーバー」と発音しているように聞こえます。
    
オールドオーダー
    二番目に保守的なアーミッシュ。

ニューオーダー
    三番目に保守的なアーミッシュ。ただし、宗教的な規律に関してはオールドオーダーより
    保守的。

また、三百年前にアーミッシュから分かれた一派としてメノナイトがいます。
メノナイトはアーミッシュではなくて、ニューオーダーよりもさらに保守的でなく、
馬車の代わりに自動車を運転することもできます。
アーミッシュでない人をイングリッシュといいますが、イングリッシュにはメノナイトも含まれます。

アーミッシュ:スワーツェントゥルーバー、オールドオーダー、ニューオーダー
イングリッシュ:メノナイト、アーミッシュとメノナイト以外の全ての人間

「イングリッシュ」というのはアーミッシュ以外の全ての人間なので、
アーミッシュからすればアメリカ人も日本人もイングリッシュになります。

ちなみに今日は、
 1軒目:メノナイト
 2軒目:イングリッシュ(非メノナイト)
 3軒目:アーミッシュ(ニューオーダー?)
 4軒目:スワーツェントゥルーバー
 5軒目:イングリッシュ(非メノナイト)
という内訳でした(3軒目は再調査の必要あり)。

ところで「保守的」というのは、外の社会にあまり妥協しないということです。
たとえば、馬車の後ろに反射板を貼るかどうかという問題があります。


馬車の後ろについているオレンジの三角形が反射板です。
オールドオーダーとニューオーダーの馬車には反射板が貼ってありますが、
スワーツェントゥルーバーの馬車には貼ってません。


寮の窓から撮影したので、ちょっと見にくいですけれど、反射板がないのがわかります。
こういう馬車が、普通の自動車が行き交う公道をのろのろ走っているわけです。



おまけに、アーミッシュが住む地域はたいてい坂がジェットコースターみたいに急で、
登り切るまで向こうに何があるかわかりません。
猛スピードで登り切ったところで馬車がのろのろ走っていたりすると、
追突事故が起こったりするのです。
実際、馬車に乗ったアーミッシュの事故は多く、反射板を貼るのも事故防止のためです。
オールドオーダーとニューオーダーは反射板を貼るのを受け入れていますが、
スワーツェントゥルーバーは受け入れていません。
きちんとした理由は本を読んでもよくわかりませんが、昔ながらのやり方を変えない、
というのが基本にあるのは確かです。

アーミッシュといっても色々いるわけですが、となると問題は、
「アーミッシュって結局なんなんだ?」ということになってきます。
ガイドさんの話では、最近は「電気を使うアーミッシュ」というのも登場しているようで、
いっそう「アーミッシュってなんなんだ?」という問いに答えにくくなっています。
「教会の建物がない」とか「馬車を使う」とか「進化論を学校で教えない」とか、
アーミッシュの特徴を羅列することはできても、
「アーミッシュの定義」をはっきり示すことは難しいし、
そもそもその特徴自体が時代と共に変わっていってしまっている。

ただ、自分の興味からいえば、「外の社会と自分の社会の間にきちんと線を引く」
というのはアーミッシュの重要な特徴のような気がします。
「イングリッシュではないのがアーミッシュだ」なんて無内容なことはいわないけれど、
「境界線に絶えず気を配っている」という点では、
スワーツェントゥルーバーもオールドオーダーもニューオーダーも共通しています。

ほとんどの社会がなし崩し的に近代化してしまったのに対して、アーミッシュ社会だけが
「近代化すると自分たちの社会はどうなってしまうのか?」をきちんと考えて、
「近代社会とどうつきあえばいいか?」を方法化してきたように思います。
そういうアーミッシュの先進的な部分を含めて、「自分なりのアーミッシュの定義」を
いずれ考えて行かなければなあ、と思っています。



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